OK Google(音声検索)

OK Google(音声検索)

 

5月10日夕方、MBSテレビがニュース番組Voiceで、「視覚障がい者の社会進出」というテーマで放送した。目が見えない、もしくは非常に見えにくいという困難を抱えながら生活する視覚障害者、3人の事例を紹介していた。

MBSテレビ ネットリンク

芸人の日本一を決めるお笑いグランプリで、目が不自由なことを笑いに代えて優勝した漫談家、大手ハウスメーカーのセキスハウスの住生活研究室に勤務する女性が活躍する姿を放送した。

 

それに続いて、ITを活用している神戸市の男性の事例が紹介された。男性の視力は右目が0.3で左目は見えない。ITの進歩で生活が劇的に変わったという。例えば、スマートフォンの設定を変えてすべて音声で読み上げさせることで画面を見なくても操作できるそうだ。

 

男性は人も交通量も多い三宮駅からスマートフォンのアプリを駆使して、迷うことなく目的地のホテルへ向かう姿を映した。ホテルの看板は見えないが、スマートフォンのカメラで撮影、拡大して確認した。

最後に画面が変わり、「OK Google、明日の宍粟市の天気」と男性がパソコンに向かって話すと、パソコンが音声で「明日の宍粟は最高気温22度、最低気温8度で曇りのち晴れでしょう」と答えたところで、特集番組が終わった。

 

そこで、OK Googleとはどういうものか興味が湧いた。

先ず、Googleの検索機能を使って「OK Google」と入力すると、設定画面が出てきた。説明に従ってスマートフォンを操作すると容易に設定することが出来た。

設定が終わると、スマートフォンの立ち上げ画面が左のようになった。

右上のマイクの絵をタップすると左のように画面が変わる。

「認識しています」の文字が出ている間に話しかける。

 

この画面に向かって、例えば「関西黄斑変性友の会」と話しかけると左下の画面に変わる。「関西黄斑変性友の会」をさがして、タップするとホームページが現れる。

 

OK Googleは意外と便利である。文字入力でなく、音声入力なので面倒な操作を省くことが出来る。試しに、次のような音声検索をしたところ、すべて正しい答えが返ってきた。

「最寄りのバス停はどこですか」「近くの病院はどこですか」「今何時ですか」「最近の円ドルレートはいくらですか」「645-381はいくらですか」「アメリカの大統領は誰ですか」

最初のバス停の質問では、バスの時刻表も出てきた。外出先では便利に使える。応用範囲が広がりそうである。これを読んだ人が事例紹介していただけるとありがたい。

髙田 忍 05/17/2018

NPO法人への道のり

NPO法人への道のり

1.なぜNPO法人か

 関西黄斑変性友の会は2018年4月2日、特定非営利活動法人(NPO法人)の法人登記の申請を大阪法務局に行い、新たなスタートをすることになった。法人化によって、より多くの患者に情報を提供できるよう努めていきたい。

 「友の会」は黄斑疾患の患者団体である。全国に70万人の患者がいると言われているが、その内会員になっているのは70人に満たない。患者団体の目的は、医師から聞くことのできない患者の貴重な体験を相互交流しようとすることにある。この目的を実現するためには、より多くの患者を会員になっていただく必要がある。

 その方法としてホームページの活用や病院でのポスター掲示である。ホームページでは広告などの効果がある。病院ではNPO法人であることが信用を高める手段になる。そこで昨年から法人化に向けて準備を続けてきた。法人化を検討している他の患者団体の参考になればと思い、記録を掲載した。

 

 2.どのような手続きが必要か

 ではどのようにすればNPO法人にすることが出来るか。インターネットで検索すると、NPO法人設立を支援する司法書士などが出てくる。規模の小さい団体が、そのために費用をかけることは経済的にも負担になる。

 内閣府のホームページには解説が書かれている。

 大きな手続きは、二つのステップがある。自治体の認証の後、法務局での法人登記である。先ず設立する自治体の認証を得ること、認証を得たのちに法務局に法人登記をすることによって法人として認められることになる。

 法人とは法律で認められたもので、個人と同じように契約などの行為が出来る。

 

3.どこで申請するかの判断

 NPOの申請は都道府県か政令指定都市である。主たる事務所の所在地を決定して設立認証を申請する自治体を決めなければならない。

友の会の事務局が大阪市生野区にあるので、大阪市で手続きをとることにした。大阪市のホームページに詳しい申請の仕方が記されている。

大阪市の場合、窓口は市民局市民活動支援担当NPO法人グループである。

市役所地下一階にある

 

4.必要な書類

 大阪市の場合「特定非営利活動法人設立認証申請書」に以下の添付書類を添えて申請する。いずれも、大阪市のホームページらダウンロードできる。

添付書類に設立総会議事録が含まれていることから分かるように、申請に先立ち設立総会を行う必要がある。

友の会は、定例会の日に合わせて設立総会を開催した。事前に開催通知を会員に送り、総会に参加できない会員から「委任状」を取るようにした。

以下、それぞれの添付書類の書き方の留意点、注意事項を記す。

  (1)定款

大阪市のひな形をもとに作成する。特に目的事業はそれぞれの法人によって異なるので丁寧に記載する必要がある。

友の会の場合は次のような記載をした。

 

 目的及び事業

 この法人は、主として関西に在住する黄斑疾患の患者、その家族及び支援者に対して、医療や治療に関する情報、社会生活上の諸情報の提供と相互交換に関する事業を行うとともに、疾患に関する知識を深めることにより、これら患者の日常生活上の不安を緩和し社会参加の促進を通じて社会に寄与することを目的とする。

 この法人は、その目的を達成するため、特定非営利活動促進法(以下「法」という。)第2条別表のうち、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。

 (1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動

 (2)前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

この法人は、その目的を達成するため、次の事業を行う。

 (1) 特定非営利活動に係る事業

     ① 定期的な情報誌の発行に関する事業

     ② 交流会、講演会の開催に関する事業

     ③ 体験談集、社会生活情報誌などの発行に関する事業

 

会費等も独自に決めることが出来る。

年会費は正会員の場合は3000円、賛助会員は5000円とした。

 

(2)役員名簿

   役員には理事長、副理事長、理事、監事を決めなければならない。

  役員の締めに続いて住所の欄がある。住所は住民票記載の通りに書かなければならない。細かいことであるが、日常は「久出ヶ谷町」と小さい「ヶ」を皆既慣れているが、住民票は「久出ケ谷町」のように大きな「ケ」になっている。注意が必要である。

(3)就任承諾書

  所定の様式に従って役員に就任する人から提出してもらう。就任承諾日は「設立総会」の開催日より後の日付でなければならない。

設立総会の前に、承諾日を空欄にして提出してもらう。

(4)役員の住民票

(5)10人以上の会員名簿

(6)法例の該当することを確認した書面

(7)設立趣旨書

(8)設立総会議事録

   議長の他に議事録署名人名の署名捺印が必要である。

(9)事業計画書

(10)活動予算書

収支の計算に誤りがないか、整合性があるか確認する。

 

一旦出来上がった所で、市の窓口に持参しチェックを受けると良い、親切に指導をしてくれる。

 

5.認証通知

 認証申請すると閲覧がなされ、約3カ月後に認証した旨の連絡がある。

 窓口に出向き、認証通知と定款を受領する。

 登記には法人の実印が必要となる。印鑑の店に出向き注文する。一日で出来上がる。

 法人の実印は個人の実印と異なる。丸印で外側に法人名、内側に「理事長印」と入れる。

 

6.登記

 認証通知を受領後2週間に内に登記申請をする必要があるので、すぐ法務局に出向き必要書類の等手続きを相談する必要がある。

大阪法務局の場合地下鉄天満橋

 窓口がいくつもある、先ず相談室に行き、説明を聞いた後書類を作成し、申請窓口に提出する。

 約10日後に登記が完了する。

 

7.大阪市への届け出

  登記事項明書等を添付して大阪市に届ける必要がある。

 

8.全体の流れを整理すると

2017年11月1日   設立総会開催通知、役員就任依頼
2017年11月30日           委任状集約
2017年12月7日             設立総会開催(大阪市内)
2017年12月15日 大阪市に設立認証申請書
2018年3月19日             大阪市から認証の連絡
2018年3月20日             認証通知受領
2018年3月22日     大阪法務局に相談
2018年4月2日               大阪法務局に設立登記申請
2018年4月12日     登記事項証明書        

法人化を決定してから、完了するまで約五か月半かかった。

      

9.その他

 (1)いかなる団体であっても会計の透明性が求められる。出来るだけ、団体名義の口座を作っておいた方が良い。例えば、ゆうちょ銀行は任意団体であっても、団体の規約を添えて申請すれば口座開設ができる。

(2)NPO法人は設立すれば、それでおしまいというわけではない。設立後も自治体に定期的に事業報告や役員の異動の報告をしなければならない。このような事務に多くの時間や労力がとられる。本来の活動がおろそかにならないよう体制を整えておく必要がある。

(3)患者団体にとっては財政上の問題もある。会員の会費のみで運営することは困難である。助成する機関があるので積極的に応募するのも解決策の一つである。

(高田 忍)

 

 

確定申告と医療費控除

確定申告と医療費控除

関西黄斑変性友の会代表世話人 

髙田 忍

2月16日から3月15日まで確定申告の期間です。加齢黄斑変性の患者は医療費が高額であるため、医療費控除によって所得金額を差し引くことが出来ます。その結果。還付を受けられる可能性があります。その概要を説明いたします。該当する方は、税務で手続きされることをお勧めいたします。

 

1.医療費控除

医療費控除額の計算式は次の通りです。

医療費控除額=(医療費控除の対象になる医療費

-保険金等で補てんされた金額)-

10万円(総所得200万円未満の人は総所得金額等×5%)

簡単にいうと,年間10万円以上の医療費がかかった場合、超えた額について医療費控除が出来ます。

 

例えば抗VEGF薬アイリーアを注射した場合、3割負担で一回につき57,000円の医療費がかかります。年間2回以上注射すれば10万円以上となるので、超えた額が控除の対象になるということです。

治療回数

計算式

医療費控除額

2回

57,000円×2-100,000円

14,000円

3回

57,000円×3-100,000円

71,000円

4回

57,000円×4-100,000円

128,000円

 

但し、年間所得が200万円以下の人はその5%を超えた場合に医療費が控除できます。例えば、年間所得が100万円の人は医療費が5万円をこえた場合に超えた分について医療費控除が出来ます。

治療回数

計算式

医療費控除額

2回

57,000円×2-50,000円

64,000円

3回

57,000円×3-50,000円

121,000円

4回

57,000円×4-50,000円

178,000円

 

2.医療費控除の手続き

確定申告書を提出する際に「医療費控除明細書」を添付する必要があります。領収書は必ずしも必要ありませんが、5年間は税務署から提出を求められる場合があります。

対象となる医療費には通院費(病院までの公共交通費)を含むことが出来ます。ただしタクシー代や自家用車のガソリン代は含むことはできません。メガネは、医師が指定した場合は控除対象になる可能性があります。

 

3.還付される税額

医療費控除の額がそのまま還付されるわけではありません。課税所得による税率に応じて還付の額が計算されます。課税所得とは、所得から医療費控除や寄付金控除などを差し引いた所得のことです。

例えば、アイリーア年4回注射した場合の医療費控除は、上で計算したように128,000円です。

課税所得

税率

還付額

300万円

10%

12,800円

2000万円

40%

51,200円

 

4.具体的な対応

計算の仕方は分かったが、具体的にどのように動けばいいのか分からないかも知れません。毎年、この時期それぞれ所轄の税務署で税務相談が行われています。

給与所得や年金の源泉徴収票と医療費の領収書、マイナンバーカードを持参して税務署の相談窓口を訪ねてください。3月15日の直前は混み合いますので、出来るだけ早く相談することをお勧めします。

 

給与所得の源泉徴収票

給与所得の源泉徴収票

年金の源泉徴収票

年金の源泉徴収票

 

眼鏡の医療費控除

眼鏡の医療費控除について

一般使用される眼鏡は基本的に医療費控除の対象になりませんが国税庁のホームページから

医師による治療のため直接必要な眼鏡の購入費用

【照会要旨】

 白内障の患者が視機能回復のために購入した眼鏡の購入費用は、医療費控除の対象となりますか。

【回答要旨】

 医師の治療を受けるため直接必要なものであれば、眼鏡の購入費用も、医療費控除の対象となります。

 眼鏡の購入費用は、一般的な近視や遠視の矯正のためのものは医療費控除の対象とはなりませんが、医師等の治療等を受けるため直接必要なものであれば、医療費控除の対象となります(所得税基本通達73-3)。この場合の医師の治療を受けるため直接必要な眼鏡の購入費用としては、例えば、視機能が未発達の子供の治療を行っている医師が、当該子供の視力の発育を促すために眼鏡の使用を指示した場合において、当該指示に基づいて購入する眼鏡の購入費用や、白内障の患者が、術後の創口の保護と創口が治癒するまでの視機能回復のために一定期間装用する眼鏡の購入費用のようなものがあります。
 これらの例示からわかるように、眼鏡の購入費用で医療費控除の対象となるものは、医師による治療を必要とする症状を有することが必要であり、かつ、医師による治療が現に行われていることが必要です。
 なお、医師による治療を必要とする症状を有するかどうかは、医学の専門家以外の者には判定が難しく、また、現に医師による治療が行われているかどうかをどのような方法で証明(確認)するかといったような問題もあることから、厚生労働省では、社団法人日本眼科医会に対して、次のように指導しています。

1 医師による治療を必要とする症状は、次に掲げる疾病のうち一定の症状に限られるものであること。
・ 弱視、斜視、白内障、緑内障、難治性疾患(調節異常、不等像性眼精疲労、変性近視、網膜色素変性症、視神経炎、網脈絡膜炎、角膜炎、角膜外傷、虹彩炎)

2 医師による治療を必要とする症状を有すること及び現に医師による治療を行っていることを証明するため、所定の処方せんに、医師が、上記1に掲げる疾病名と、治療を必要とする症状を記載すること。

 なお、この場合の眼鏡のフレームについては、プラスティックやチタンなど眼鏡のフレームの材料として一般的に使用されている材料を使用したものであれば、特別に高価な材料を使用したものや特別の装飾を施したものなど奢侈にわたるものを除き、その購入費用も、医療費控除の対象となります。

【関係法令通達】

 所得税基本通達73-3」

とあり、例えば斜視の場合、5.00プリズムディオプターを超えるものは医療費控除の対象になります。ただし、基本的に眼科ドクターの「眼鏡処方箋」と「眼鏡店の領収書」が必要になります。

加齢黄斑変性症の場合の遮光レンズもそれに該当します。

患者会で得たこと

患者会で得たこと

―私たち夫婦の体験から―

高田 忍

妻の場合

1.妻に余命宣告

 妻に病魔が襲ったのは2010年8月のことである。今でも忘れもしない8月6日、広島原爆投下の日の朝いつもより早く起きた妻が大阪の大学病院へ行くと言い残して出て行った。夜中に血を吐いたという。大阪の大学病院へ行選んだのは、10年近く感染性心内膜炎という心臓の病気で通っていたからである。

 

 三日続けて行われた検査の結果、骨髄異形成症候群と診断された。血液癌の一種で骨髄の中にある血液を造る細胞が破壊され、赤血球、白血球、血小板が造れなくなるとい厄介な病気である。大学病院の病室が満室で自宅近くの市民病院に緊急入院することになった。

 

 入院の翌日、医師は私たち二人を前にして「一年後の生存率20%」と余命宣告した。治療法はCAG(キャグ)という抗癌剤治療しかないとの説明である。事態を直ぐには受け入れることが出来ずパニックに陥った。妻はこの日の日記に「どん底」と気持ちを現わした。

 

2.患者会との出会い

 これにさかのぼること8か月、その年の1月に私は前立腺癌と診断され、京都の大学病院へ通っていた。数カ月のホルモン注に続いてIMRTという放射線照射を受けることになっていたその矢先のことである。

 

 京都の大学病院には癌支援センターがあり、そのコーナーに色々な癌患者団体のチラシが置かれていた。血液癌の患者会の集いがあることを知った。和歌山で行われた会合には家族として参加した。何人かの医師が病気や治療法についての講演をし、個別相談会では病気の説明や治療法を聞いた。製薬会社がスポンサーについていて、お土産のトートバッグをもらった記憶がある。その後、大阪本町のビルの一室で行われた患者と家族の懇談会にも参加し、お互いの悩みを語り合ったことがある。

 

3.朝ご飯一緒に食べましょう

 京都の大学病院から戻ると、妻のもとへ洗濯物を届ける日がしばらく続いた。老老介護ならぬ病病介護と自分自身に言い聞かせていた。放射線治療を受けて、さらに妻のもとへ駆けつけるのは正直疲れた。幸い、抗がん剤の効果が出て入院から3カ月後には退院することが出来た。

 

 その翌朝,妻は「これからは一緒に朝ご飯を食べましょう」と言って起きてきた。その日までは長年の生活習慣から、朝食は別々に食べていた。この日から二人で過ごす時間を増やすようにした。

 

 ところが、年が変わると再び病状が悪化し、入院することになった。治療法は同じ抗癌剤治療であるという。

 

4.ある女性のアドバイス

 同じ治療を続けて治るのか確信が持てなかった。そこで、名古屋の国立病院へセカンドオピニオンを聞きに行くことにした。名古屋を選んだのは骨髄移植で実績があり評判が良いと知ったからである。しかし結果は同じで医師の説明は変わらなかった。

 

 この時、名古屋に住む女性が同行してくれた。母親が同じ病気で亡くなったという。医師との面接が終わった後、名古屋城近くの喫茶店で女性から患者である母との接し方についてアドバイスを求めた。

 

 女性は「この病気は治らない。このことを前提に残った人生を楽しく送らせてやることが大切だ。母を温泉につれて行き、好きな刺身は火を通してたべさせるようにした」と反してくれた。この言葉は、それからの妻との接し方を考えるうえで大変参考になった。

 

5.カモミールおいしい

 その後、妻は入退院を繰り返した。治療は輸血しか方法がなくなった。医師から感染症の危険があるので人ごみを避けるように言われていた。一週間に一度の通院は電車を使わず、車で国道二号線を走り神戸の病院へ通った。

 

 輸血もなく早く終わった日にはスーパーに立ちより食材の買い物につき合った。買い物は主婦の楽しみの一つである。妻は鰤の照焼きが得意料理であった。遅くなる時は、近くのホテルに泊まり最上階のレストランで神戸の夜景を見ながらフランス料理を食べたりもした。身だしなみは女性にとって大切である。時には美容院へ送り迎えしたこともある。

 

 そうしたことも手助けになったのかもしれない。心に安らかさが戻った。妻が残したメモがある。メモには「カモミールおいしい」と書かれていた。喉に通るものと言えば、ハーブティーしかなかったのである。一年どころか、17か月、発病から544日も生きてくれた。

 

 それから、一年半後に闘病記「カモミールおいしい」を出した。

 ご希望の方には無料で差し上げます。連絡先090-6905-0872

カモミールおいしい

カモミールおいしい

 

私の場合

6.歪んだパソコンの枠

 妻が亡くなって3年経った2014年8月も終わりの頃である。いつものように早朝パソコンに電源を入れた。パソコンの枠が歪んで見える。疲れのせいかとも思った。たまたまその二日あとに人間ドックで定期検診を受けることになっていた。これが幸いした。

 

 眼科の診察室前に掲げられた医師の名前の札も歪んで見えた。医師にそのことを訴えると、早速翌週の水曜日に検査をすることになった。検査の結果、右眼が加齢黄斑変性であると告げられ、その日のうちにアイリーアの注射がなされた。

 

 白内障、緑内障なら聞いたこともあるが、こんな病気の名前聞いたことがない。一体、どのような病気なのか良く分らなかった。その後一か月おきに合計3回受けた結果、しだいに安定状態を保つことが出来た。早期発見早期治療のお蔭である。

 

7.集いに参加

 二回目の注射を受けに行った時、病院の待合室の掲示板を目が止まった。患者会の集いがあるポスターが貼られていた。早速、メールで世話役をしている東京の神谷さんに参加したい旨伝えた。中之島の大阪市中央公会堂で開かれた集いには多くの人が参加していた。東京の患者が体験を語り、星野さんの眼鏡の話もあった。早速、眼鏡の調整もしてもらった。暫く控えていた車の運転も再開した。

 

 その後、1~2回関西での集いに参加したところ、翌年の2015年5月、神谷さんと星野さんから関西でも患者会を作るので世話人になって一緒に活動しないかと打診を受けた。

 

 一つ返事でお受けすることにした。理由は二つあった。一つは妻の病気を通じて患者会の役割を知っていたからである。患者は、それぞれ医師から聞くことのできない貴重な経験を持っている。患者会を作って経験交流の場を設けることは必要なことだ。もう一つの理由は、定年後大学関係の仕事が少し残っていたが、75歳でこの仕事が終わる。しかし、少しでも世の中とつながりを持っておくことは自分自身のためにもなる。

 

 そういう思いから引き受けることにした。その年の10月に関西黄斑変性友の会が会員数20数名で発足した。

 

 第1回会合は12月に住友病院の講堂で、同病院の五味文先生から講演を聞くことから活動を始めた。

 

8.体験談集など情報発信活動に注力

 右眼は早期治療の効果もあり安定した。左眼は問題がなく、右眼をカバーしてくれるので、日常生活に不自由を感じることはない。積極的に動くことを心に決めた。

 

 患者会は医師から聞くことのできない体験を交流し合うことにあるとの考えから、それぞれの会員から体験を募り冊子を発行した。高齢者の医療制度など一般情報などをまとめた「サードオピニオン」というタイトルで出した。かなり費用が掛かり、年会費だけでは不足したので、会員の皆さんに寄付をお願いした所、多くの方から協力を頂き、大変うれしい思いをした。

 

 iPS細胞の臨床研究に関する情報も精力的に集め、会員に伝えるようにした。NHKの健康番組の情報もいち早くキャッチし、放送予定日を会員に伝えるようにもした。

 

 新聞やテレビなどの報道機関からの取材にも積極的に応じた。ホームページを立ち上げ、広く会員以外への情報発信に努めた。さらに外出を控えがちな会員のためにハイキングを企画し実施した。これには会員の家族のサポートがあった。

 

 これらの活動の成果が実り、会員は関西だけでなく、全国に広がった。そこで、5月にはNPO法人に発展させより充実した活動を目指している。

 

9.飛鳥ハイキングで学んだこと

 こうした中、昨年暮れに左目に異変が起こった。目の真ん中に薄い膜が貼っているようで字が読みにくくなった。先生に診てもらったが、加齢黄斑変性ではなく治療法はないとの診断である。右眼をカバーしていた左眼が役に立たなくなった。紙の新聞は文字が小さくて読めないの。タブレットを購入し大きな字なら読めるようになった。

 

 1月30日、好天の中、奈良県飛鳥地方のハイキングを実施した。参加者は男女各4名ずつの8名であった。古代の都を歩いた。高松塚古墳、石舞台古墳、そして日本で一番古い仏教のお寺飛鳥寺を参拝し、奈良の大仏より古い大仏との説明をお坊さんから聞くこともできた。楽しい一日であった。

 

 なによりも良かったのは、みんなで一緒に食べた昼食の時と帰りの電車に乗る前の喫茶店での懇談であった。大津から参加したFさん(男性)が話した音の出る時計やタブレットの幅広い使い方は大変参考になった。大阪から参加したHさん(女性は)、視力が0.01で杖を突きながら、支援者の助けを借りながら1万8千歩、約8キロを歩いた姿は感動的であった。それ以上にその感想の言葉が励ましになった。

 

 「眼と足が不自由な者にとっては、一番楽なのは家にいる事です。でも外出すれば、足も使えば手も使う。そして不自由な眼も使う。すると脳が刺激され頭も使うことになる。これが元気を保つ秘訣です。」

 

 大変勉強になった有意義な一日でした。

 

 今迄は日常生活に不自由を感じなかったため、主に情報を送る立場のみを患者会の中においてきたが、これからは他の人の経験を積極的に取り入れる立場も考えに入れて、悔いのない人生が送れるようにしたいと考えている。

 

眼に検査と写真

眼の検査と写真

 加齢黄斑変性の患者は、二か月から三か月に一回の頻度で病院を訪れます。

 私の場合、受付で診察カードを見せると、ほどなく検査室に呼ばれます。

1)先ず細い穴から風がと吹き出してくる眼圧検査を受け、続いて視力検査を受けます。(トノメーター 眼圧計測定)

2)丸い輪の空いている向きを検査の人に伝えます。あてずっぽうでも大体正しいようです。(視力検査 ランドルト環)

3)それが終わると,瞳孔を開く目薬が点されます。20分ほど待合室で待った後、再び検査室に入り眼底の写真が撮影されます。(散瞳)

4)非常に眩しい光を当てられますが一瞬のうちに終わります。続いて赤の縦線、横線が出てくる検査を受けます。断層写真です。(OCT撮影、OCT画像の見方

5)検査が終わり、しばらくすると診察室に呼ばれます。医師はレンズを通して眼の中を観察します。(細隙灯顕微鏡検査)

6)そしてパソコンの画面を見せながら、状態を説明し抗VEGF薬の注射をするか判断します。

 この時示される写真(OCT撮影画像)を毎回貰うようにしています。初めて受診したころは、写真をもらう考えは浮かびませんでした。ある時、内科のことを思いつきました。内科では、尿検査と血液検査を受け場合は、要求しなくてもコレステロールや中性脂肪、尿酸値などのデータをくれます。過去数回のデータを示して、傾向が分かるようになっています。医師は生活習慣の指導をします。

 そこで、発症時からその時までの写真を頂けないか尋ねたところ、快くOKしてくれました。その写真を見て納得したうえで注射の治療を受けるようにしています。

 眼科の場合は内科と違って、要求しなければ写真の提供はないようです。遠慮しないでもらうようにして経過を把握し、自分の目の状態を理解することをお勧めします。

 下の写真は2014年9月発症直後の断層写真です。素人目にも異常であることがわかります。

 次の写真は発症から2年半後のものです。このときまで4回眼球注射をし、安定していましたが、やや膨らみが出たので注射することになりました。

 内科と違って、眼科の場合は要求しなければ写真の提供はないようです。遠慮しないでもらうようにして経過を把握し、自分の目の状態を理解することをお勧めします。

 神戸市立神戸アイセンター病院「外来受診のご案内」に「患者の権利と責務」が書かれています。どこの病院であっても共通することだと考えます。検査結果の写真は「権利」の3項と4項を根拠に貰うことが出来ます。ただし権利には義務が伴うことを忘れないように。


 神戸市立神戸アイセンター病院 

患者の権利と責務

 患者さんには、医療を受けるにあたって、憲法が保障する基本的人権の尊重を要求する権利があります。一方で、医療は患者さんと医療提供者がお互いの信頼の上で協働して取り組むべきものであります。

 神戸市立神戸アイセンター病院は、医療の中でこれらのことを実現することが何より大切と考え、ここに「神戸アイセンター病院、患者の権利と責務」を制定します。

患者の権利と責務

権利
1. 病気にかかった場合には、だれでも良質で適切な医療を安全かつ公平に受ける権利があります。
2. 医療を受けるにあたっては、一人の人間として、その人格や価値観などを尊重される権利があります。
3. 病気、検査、治療、見通しなどについて、わかりやすい言葉で説明を受ける権利があります。
4. 十分な説明を受け、かつ納得したうえで、検査や治療方法などを自分の意志で選ぶ権利があります。
5. 自分が受けている診断や治療について、他の医師の意見を求める権利があります。
6. 自分が受けている医療を知るために、診療記録の開示を求める権利があります。
7. 診療中に得られた個人の情報が厳密に保護され、また、自分のプライバシーが他人にさらされず、乱されない権利があります。
8. 研究途上にある医療に関しては、目的や危険性などについて十分な情報提供を受けたうえで、それを受けるかどうかを決める権利と、いつでも中止を求める権利があります。
9. 市民の一人として健康の増進と病気の予防を自分の責任で行うため、それに必要な健康教育を受ける権利があります。

 私たちは、上に掲げた患者さんの権利を充分に尊重した医療に取り組みます。しかし、一方では権利には義務が伴います。患者さん及び家族の皆様には次のような配慮をお願いいたします。

義務
1. 医師をはじめとする医療提供者に、皆さんご自身についての情報提供してください。
2. 検査や治療について納得し合意したことを守るのは、皆さんご自身の健康回復のためであることを理解し実行してください。
3. 病院は、多くの患者さんと職員が共同生活を送る場です。他の多くの患者さんともども、会的な環境で医療が受けられるよう、病院内での規則と病院職員の支持を守ってください。
4. 医療が安全かつ適切に行われるために、患者さんご自身が医療者とともにチーム医療に主体的にかかわってください。
5. 医療の安全確保や院内感染の防止のための取り組みに協力してください。
6. 犯罪行為、迷惑、その他これらに準じる行為を禁止します。これらの行為により、当院との信頼関係が破たんした場合は、当院での診療を原則としてお断りいたします。

神戸アイセンターへの乗継案内

神戸アイセンターへの乗継案内

昨年12月に開設された神戸アイセンターに行く方法は、ホームページに掲載されている。括弧内はホームページの説明である。「各交通機関から三宮でポートライナーで乗継」と簡単に書かれている。三宮には阪急、阪神、地下鉄、JRの各駅がある。1月21日アイセンターを訪れる機会があったので、初めての人にとって、分かりやすく乗継できるか確認した。

 

ポートライナーでお越しの方
ポートライナー「医療センター」駅より徒歩2分

• 各交通機関から三宮でポートライナーに乗り継ぎ、医療センター駅で下車してください(所要時間:約12分)

• 「神戸空港行き」または「京コンピュータ前止まり」にご乗車ください。「北埠頭行き」または「中埠頭止まり」は停車いたしませんのでご注意ください

• 運賃250円

 

阪急電車の場合

ホームに乗換案内がある。東出口へ進む。

エレべーターで降り改札を出る。右に行く。

5メートルほど先に左方向への矢印があり、短いスロープを上がると屋外に出る。

正面いビルがあり右へ曲がりさらに左に曲がる説明がある。
曲がって90メートルほど先に駅がある。

 

阪神電車の場合

東出口と西出口がある。西出口の場合改札を出ると通路に案内がある。

右に曲がると、直進の表示がある。

エスカレータを昇ると、右向きの矢印がある。

しばらくすると、直進の案内がある。

迷うことはない。

地下鉄の場合

地下鉄は市内の居住者だけでなく、新幹線の乗客も利用する。
改札を出ると、路面に矢印がある。薄くて見えにくい。

左方向に進み突き当りまで歩く。

そこでエスカレータに乗って地上へ出る。

地上へ出るとJR三ノ宮駅の中央口に入る。

駅構内には案内がない。逆に新幹線方向の矢印が目に入る。

駅構内を抜けると、右か左かの表示もない。そこで左へ曲がることにした。人ごみの中を歩くと表示が出た。

エスカレータで上がったところがポートライナーの駅である。

新幹線で遠方からくる人は、新神戸駅でホテルのシャトルバスを利用する方法がある。20分おきに出ている。ポートライナーの駅はホテルの横にあり、一駅で行くことが出来る。ホテルの最上階には中華レストランがあり、バイキング形式で60歳以上はシニア料金で利用できる。眺めも良い。

 

JRの場合

ホームから改札への階段は3カ所あるが、表示はない。ホームの中央にある階段又はエスカレータで降りる。中央口ではなく東改札を出る。東改札付近に案内があったが、工事中の柱に隠れて見つけにくい。

改札を出ても案内はないが右にエスカレータがある。それを昇ればポートライナーの駅である。

ポートライナーでは医療センターで下車する。

改札を出て左へ行くと路面に矢印があり、迷うことはない。

阪急と阪神は分かりやすいが、JRが最も不親切のように思えた。

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この件に関して友の会事務局からの対応とJR西日本から

「ご指摘有り難うございます。改善に務めます。」との回答がありました。

ちょっとしたことが世の中役に立って嬉しく思います。

事務局長 星野

12月22日の日記から

12月22日の日記から

1. 大阪の地下鉄-たった二駅の混雑

星野さんの店に9時過ぎに着くよう家を出て、阪急神戸線に乗った。通勤時間帯で勿論座ることはできなかった。梅田まで僅か10数分のことだから座らなくても我慢はできる。

地下鉄御堂筋線の梅田駅で午前8時半頃ホームへ降りると、停車していた電車には満員で一本見送った。ホームには整列乗車の矢印が大きく書かれている。そこに並んで次の電車を待った。この時間帯は二分ごとにダイヤが組まれている。直ぐに入ってきたで電車は一つ先の中津始発だったのか、乗客は少なく乗り込むことが出来た。しかし、あっという間にすし詰め状態。次の淀屋橋では降りる人と乗る人が同数で込み具合は変わらなかった。ところが次の本町で大半の人が降り、座席も空きが目立った。

難波で乗り換えた千日前線は、これでも通勤時間帯かと疑うほどすいていた。

夕方のテレビで大阪市内にタワーマンションの建設ラッシュを報じていた。働く世代が都心に住むようになれば、地下鉄の混雑は解消するように思った。

それにしても、梅田ー本町間のためにだけ過密ダイヤで地下鉄を運転しているのは無駄のような気がした。他に解決策があればいいのだが・・・

50歳になった頃アメリカ駐在を前にして、淀屋橋にある本社に半年ほど通ったことがある。梅田から淀屋橋まで御堂筋を歩いた。勤め先が淀屋橋や本町近辺にある人の内、何人かが健康のため歩けば解決の糸口になるかもしれない。

2. マイナンバーカードが使えない
一昨年、鳴り物入りで導入されたマイナンバーカード。住基カードや印鑑証明カードが一体化され便利になるという振れ込みであった。

そのマイナンバーカードを使える日がやってきた。印鑑証明を取るためである。

早速、星野さんの店から帰る途中、駅前のダイエーの中にある市民サービスセンターの窓口へ行った。時間は12時半頃で昼休みらしく窓口にはカーテンがかかっていた。一人だけいた係員に、マイナンバーカードで印鑑証明書を交付できるかと尋ねると、その答えはできないということだった。

これが第一の驚き。昔の印鑑証明カードなら受け付けるとのこと。料金は一枚300円。そこで勧められたのが、近くのコンビニで。そこならマイナンバーカードが使え、しかも料金は200円。これが第二の驚き。

コンビニへ行くと、多機能の複写機が置かれていて行政サービスをタッチし、印鑑証明を選択し必要枚数を入力、コインを入れるとプリントされて出てきた。

市民サービスセンターにも同じ複写機を入れれば職員も削減できるし、昼休みでも市民が利用できる。
「コンビニへ行ってください」との応対だけで仕事したような気になっているようだ。お役所の仕事とはこんなことかと、感心するやらあきれるやらの一日でした。

夙川サービスセンター

夙川サービスセンター

 

ローソン複写機

ローソン複写機

読売テレビが放送しなかったこと

読売テレビが放送しなかったこと

読売テレビは11月30日午後5時台の「かんさい情報ネットten」という番組で12月に開場した神戸アイセンターを取り上げた。その中で加齢黄斑変性の患者として登場した。取材を受けたのは11月25日の午後2時から3時までの一時間であった。しかし、テレビに映ったのは十数秒であった。インタビューで話したことは殆ど割愛され、壁をおさえながら階段を下りる姿が強調された。テレビでは説明が省略された階段の問題を説明しておきたい。

 

私が発症したのは2014年8月末のことで、異変に気付いてから1週間後には抗VEGF薬の注射をした。治療の効果が出る2か月ほどの間、外出して一番危険だと思ったのは駅の階段である。階段が波打って見えたので、踏み外して転げ落ちるのではないかと心配した。

それ以来、階段を下りる時は手すりを捉まえる習慣がついた。エスカレーターがあるときは、出来るだけ利用するようにしている。

ところが駅の中では、昇りのエスカレーターはあっても下りのエスカレーターがない所が多い。

下の写真は大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅の北出口方面の階段である。上りはあるが下りエスカレーターはない。

 

京阪電車中之島線の渡辺橋駅は乗るまでが大変である。地下に下りるまでに三つも踊り場のある階段があるが、昇りも下りもエスカレーターはない。

この階段を降りるとさらに階段が続く。ここには昇りだけエスカレーターがついていた。

改札を通ってホームに降りる所にようやくエスカレーターが出てきた。

 

眼の不自由な人に不親切な駅ばかりではない。

JR大阪駅と阪急電車の連絡橋をつなぐところは上下ともエスカレーターがある。

地下鉄御堂筋線への連絡階段も上下が用意されている。

 

他に歩いて危険を感じるのは歩道である。写真のような波打ったタイルの歩道では街路樹の根が歩道を浮き上がらせていることがある。それに気づかず躓いたことがある。これも放送からカットされたことのひとつである。

京都大学山中伸弥教授と高橋政代先生の 二つの講演から

二つの講演から  髙田 忍

10月14日関西テレビ、なんでもアリーナで京都大学山中伸弥教授の、10月1日日本ライトハウス展で理化学研究所の高橋政代先生の講演を聞いた。その要約を記す。

 

山中伸弥教授 「iPS細胞の研究10年」

 2007年にヒトの皮膚細胞に4つの遺伝子を加えiPS細胞を作ってから10年になる。iPS細胞の特徴は無限に増えることと、脳や心臓など様々な細胞になることである。iPS細胞の研究は再生医療と薬の開発である。

 再生医療としては、理化学研究所の高橋政代先生が2014年に加齢黄斑変性の患者にシート状のiPS細胞を移植したのが初めてである。3年経った現在経過は順調である。この患者のiPS細胞は患者本人の細胞から作ったものである。患者の細胞から作るのは、二つの問題がある。品質評価に時間がかかることと、費用が掛かることである。

 そこで、今年の2月から臨床研究している患者は他家細胞という他人の細胞から作田tものを移植した。ただ、他人の細胞といっても免疫性の問題がある。免疫の方が異なると排除する。しかし、何百人に一人の割合で誰にでも適合する遺伝子を持った人がいる。この人を刈りにスーパードナーと呼んでいる。二名のスーパードナーから日本人の24%をカバーできる。このような人14名から同意を取り付けた。54%カバーできることになる。

 現状の研究レベルは富士登山に例えれば、バスで行ける5合目に過ぎない。この先に難所が待ち構えている。

 問題は研究に携わる人の大半が非正規雇用であることだ。正規雇用にするためには安定した研究費が必要になる。そこで、アメリカの研究機関のように寄付で賄えるようにしたい。協力をお願いしたい。

 

iPS細胞研究所ホームページ http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/

 

高橋政代先生「神戸アイセンターについて」

 来る12月1日に神戸アイセンターが開設される。場所は神戸のポートアイランド、理化学研究所と神戸中央市民病院の間にある。

 私がこれまで研究してきた再生医療は手段であって目的ではない。先端的な研究をするには一般的な医療と合体して進めなければならない。ロービジョンケアの窓口になる。

 再生医療と対をなすロービジョンケアを広め、isee!運動で就労支援、視覚障害に対する意識の改革を行うことが必要であり、それが真の再生医療につながる。

 このisee!運動は「社会から支えられる」側だった視覚障害者に「社会を支える」側になってもらうため、すべての人の「視覚障害者」に対する意識を変革する運動である。

 NEXTVISION という団体が運営する。神戸アイセンター二階にはビジョンパークが開設される。ここではさまざまな活動を通じて楽しみながら学び考えることが出来る。

 事務局から:神戸アイセンターが開設されたら、訪ねてみてはいかがでしょうか。

NEXTVISIONホームページ https://nextvision.or.jp/

 

講演終了後質疑応答があり質問した

髙田質問

 2月に神戸中央市民病院で臨床研究をするとの発表を受けて、会員にアンケート調査をした。回答者の半数は募集条件に適合しない、残り半数は不安があるとの結果であった。不安を払しょくする方法はあるか。

高橋先生の回答

 不安があって当然である。臨床研究は治療を目的とするものではない。患者は体力を必要とする。新しい医学の発展に寄与するとの気構えを持った人が求められる。