加齢黄斑変性の実態調査

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加齢黄斑変性の実態調査

 加齢黄斑変性の患者団体である「関西黄斑変性友の会」では、このほど会員50数名に対して実態調査を行いました。

 眼に異変を感じてから、どのような医療機関で診察を受け、どのようなタイミングで治療を受けたか、そして治療後の日常生活、先進医療への期待などを問いました。

 約半数の25名から回答がありました。回答率が低いため統計的な意味があるのか判断が難しい面がありますが、ある程度の傾向を読み取ることが出来ます。

 概要は以下の通りです。

 (なお日常生活上役に立つ工夫や患者の方への提案など貴重な「日常生活に関する回答」が下方に掲載されています。 星野)

 

アンケートから読み取れること

1. 会員の年齢について

大半が70歳代と80歳代である。

中には40歳代の人もいる

2. 加齢黄斑変性の型

片眼の人が16人、両眼の人が9人である。

片眼の場合は殆どが滲出型である。

両眼の場合は、滲出型+滲出型3、滲出型+萎縮型3、滲出型+他の疾患3でいずれの場合も片方の目は滲出型である。


3. 発症年齢と経過年数

発症年齢は病名の表わす通り60歳代から70歳代前半が多い。85歳以上で発症した人もいる。

 

4. 異変を感じた後の行動

約8割の人が直ちに医療機関で診察を受けているが、2割の人が老化のせいと考えて様子を見ている。

 

5. 医療機関

最初に訪れた医療機関は開業医と総合病院がほぼ同じ割合である。かかりつけ医や自宅近くの開業医を訪ねる人が多い。

最初に診察を受けた医療機関で加齢黄斑変性と診断された人は約半数で、開業医、総合病院共に大きな差はなかった。

多くの人が転院しているが、大半が総合病院への紹介を受けている。

 

 6. 加齢黄斑変性と事前知識

約7割の人が加齢黄斑変性の病名を知らなかったが、3割の人は新聞雑誌や病院の掲示板で知っていた。

 

 7. 医療機関の説明

医療機関では患者に対して、加齢黄斑変性の説明、滲出型か萎縮型か、今後の治療法の説明が行われている。


 8. 治療法

大半が抗VEGF法の治療を受けている。

 

9. 治療のタイミング

診断されてからの治療は大半が1か月以内で、そのうち1週間以内に治療されたと回答したが多い。

しかし、異変を感じてからの治療については、1か月以内に治療を受けた人は約半数であった。

 

10. 日常生活上の工夫

多くの人が食生活や外出時の目の保護に気を付けている。サプリメントを摂取する人も多い。

 

11. 新しい治療法への期待

多くの人がiPS細胞の治療に期待を寄せている。効果と安全性が確認され誰でも払える程度の治療費になる日を待ち望んでいることが分かった。

 

アンケート集計結果(2017.2.28現在)

1. 回答者

  (1)男女別構成

 

回答者数

会員数

回答率

男性

11

24

45.8%

女性

14

29

48.3%

25

53

47.2%

 

  (2)年齢構成

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳代

90歳代

2

0

2

9

10

2

 

2. 加齢黄斑変性の型

  片眼

 

 左

滲出型

8

7

15

萎縮型

 

1

1

 

  両眼

滲出型

+滲出型

滲出型

+萎縮型

滲出型

+他

 

3

3

 

 

+網膜中心静脈閉塞症

+網膜剥離

黄斑ジストロフィー(両眼)

 

3. 発症年齢と経過年数

  年齢

経過

~59

60~64

65~69

70~74

75~79

80~84

85~

合計

~3年

 

 

 

2

1

 

 

3

~5年

2

1

1

1

 

1

2

8

~10年

 

1

 

1

1

2

1

6

~15年

 

3

 

 

 

 

 

3

~20年

 

2

3

 

 

 

 

5

合計

2

7

4

4

2

3

3

25

 

4. 異変を感じた後の行動

暫く様子を見た

5

直ちに診察を受けた

19

5. 医療機関

 (1) 最初の医療機関

開業医

眼科専門病院

総合病院

その他

12

3

10

1

 

  最初の医療機関選択理由(記載のあったもの)

かかりつけ医、自宅に近い眼科医

9

白内障の検査に行った病院

2

病院の評判

3

人間ドックの眼科

1

眼鏡店の紹介

1

 

  最初の医療機関と加齢黄斑変性診断の有無の関係

 

開業医

眼科専門病院

総合病院

あり

7

1

5

13

なし

5

2

5

12

 計 

12

3

10

24

 

 (2) 転院先との関係

    元

開業医

眼科専門病院

総合病院

その他

開業医

 

 

1

 

眼科専門病院

3

 

1

1

総合病院

5

1

7

 

 

6. 加齢黄斑変性の知識

知らなかった

17

知っていた

9

TVの健康番組

2

新聞・雑誌

3

病院の掲示板等

3

Web

1

 

7. 医師の説明

説明を受けた

20

加齢黄斑変性の説明

18

滲出型か萎縮型か

11

病気の原因

3

今後の治療

17

日常生活上の注意

3

その他

1

パンフレットを渡された

10

 

説明がなかった

4

 

 

8. 治療方法(滲出型)

抗VEGFの注射

19

光線力学的療法

2

レーザー光凝固

5

 

9. 治療のタイミング

 (1) 異変を感じてからの治療までの期間

 

最初に訪れた医療機関

 

 

開業医

眼科専門病院

総合病院

1週間以内

 

 

1

1

1か月以内

4

1

4

9

1か月以上

3

 

3

6

6か月以上

 

 

4

4

 (2) 診断からの治療までの期間

 

診断した医療機関

 

 

開業医

眼科専門病院

総合病院

当日

1

1

3

5

一週間以内

1

2

2

5

一か月以内

2

2

4

8

一か月以上

 

 

3

3

   計

4

5

1221

 

 (3) 治療を直ちに受けなかった、又は受けられなかった理由

①   その時認可されていないアバスチンを使うか認可されているルセンティスを使うかで迷った。

②   最初は認可されていない2000円くらいの注射を3年ほど2か月に一回しておりました。

③   異変を感じたが老化のせいだと思い10年後放置した。

④   診察をする先生から何も聞かなかったので

⑤   現在の病院の前に行っていました病院は視力検査のみでした。

⑥   発症時は萎縮型でした。滲出型になってからは一か月以内。

⑦   混んでいたから

⑧   12日後に予約してもらった。

⑨   目が乾燥しているので、目薬をもらって3カ月後受診の予定➡それが3年くらい、3~4カ月ごとに

⑩   別の病名を告げられた。

⑪   10か月毎月診察を受けたが、病名は一度も言わなかった。

 

10. 日常生活上の工夫

遮光眼鏡

11

 

ルーペなど補助具を使用

10

 

斜視矯正眼鏡

2

 

外出時帽子着用

12

 

食生活に注意

14

 

サプリメントの摂取

18

 

その他

2

TVを見ない

何もしていない

1

 

 

11. 新しい治療法への期待

負担の少ない経口薬

9

 

iPS細胞

18

 

その他

2

目薬

 

12. iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞を用いた治療法について、

患者として期待する課題

効果および安全性

13

一日も早い実用化

17

誰でも払える程度の費用

17

 

日常生活に関する回答

 

加齢黄斑変性の患者の症状は一人一人異なります。そのため、日常生活の過ごし方も異なっています。ご自身の症状をよくご勘案の上、参考になるものはないかと考えながらお読みください。例えば、運転している人がいたとしても、もちろん誰にでも出来るわけではありません。買い物をする際、前もって小銭を仕分けしておくことは誰にでも参考になるように思います。 

なお、写真はいずれもイメージです。

(高田 忍 代表)

(質問)

(1)今、一番困っていることは何ですか。例えば「車の運転ができなくなった」など、いくつでもお書きください。

(2)それをどのように工夫し解決していますか。

Aさん

治療開始後一か月くらいは症状が進み、バスの中から見る電柱が歪み、駅の階段が波打って見えたが、二回目の注射で次第に歪みが減り車の運転を再開した。しかしトンネルの中が真っ暗になった。

今でも夜の運転は対向車がまぶしく危険を感ずることがある。

パソコンを扱うとき遮光眼鏡を使わない。そのためか眩しくてつい右眼をつぶってしまう。

➡夜や雨の日は運転を控えている。

Bさん

車の運転ができないのでお墓参りにも行けない。新聞の小さな字が見えない。歩行中出会う人の顔が見えなくて欠礼している。

➡解決の方法がない。あれば教えて欲しい。

Eさん

食事の時も何なのかわからなくて口に入れてみて初めて分かる。

お茶を入れていても湯呑の外にこぼしたりする。

昼間は天気が良いと外が真っ白に見える。

左眼は白内障の手術をしているので、そのレンズのせいで光っている。

横断歩道や信号も見えにくいので外出は一人ではできない。

黒いマジックで太く書いてもらう。

赤や青の濃い色のシールをトイレのリモコンや電話の表示に貼る。

色々なルーペを使っている。

買い物や銀行や郵便局には付き添ってもらっている。またはヘルパーさんに頼んでいる。

自分で料理ができなくなったのでヘルパーさんに頼んだり宅配弁当にしたりしている。

Fさん

現在、ゆがみはあるものの良く見えていますので困ることはありません。

Gさん

1.  新聞、書物が読めない

2. 自転車・・・人物、車がすぐ近くに来るまではっきりしない。

3. 字が書けない。・・・・・段々漢字を忘れていく。

1.拡大読書器

文字は大きく鮮明になりますが、映る面積は逆に縮小されるので本を動かしながら読むので時間がかかり、かつ疲れます。書くことには向いていないが上手に使えるよう工夫してみたい。

2.なるべく歩く。薄暗くなったら使わない。

3.不格好な字でもハガキを出す。

Hさん

車の運転が無理で返納しました。楽譜を見る仕事(音楽講師)のため、明るい照明にしてやっと見えていますが、少しずつ見えにくいと感じ非常に困っています。

 

上記のように照明、眼鏡等限界がありますね。

Iさん

年齢的に無理なのですけど、自転車を利用出来なくなった事が大変残念です。

果物など沢山買いたい時(少し遠い所)など、明るい午前とかに人通りの少ない所で利用。狭い所は押しながら歩くなど、やはり絶対やめることはできません。

Jさん

字が見えにくい

今のところ眼鏡をはずしたら、何とか見えるのでスマホの画面を大きくしてみたりしている。

Kさん

手元の細かな作業ができにくい

細かな作業は老眼鏡、拡大鏡を使用しながらできるだけ自分で対処するようにしている。裁縫もしますが針に糸は通してもらうが、あとは指先の感覚で仕上げます。

 

人の顔が見えずらい(特に夜間)

詳細な病状はみなには伝えていないが「眼が悪いから」と伝えておけば大方声を掛けてくれるので、声と大体の容姿で判断する。

 

お札は区別がつくが小銭の区別がつきにくい。商品の金額や商品のタグが見えない。

支払いや振り込みのある時は、前もって財布の小銭をある程度そろえておき、レジ前でもたつかないようにするなど。

商品の金額や詳細は近くの人か店員さんに声を掛ける。

Lさん

読書から離れ新聞も朝の太陽のさす窓辺でざっと見る。テレビは難なく見えるが時々かすんで見える。人の顔が顔面マヒに見える時もある。

外出時、人込みのところはゆっくりと注意して歩く。

Mさん

TV、読書が好きだったので見る、読む回数を減らしレコード、ラジオを聞くようにしています。

Nさん

10年後右眼にも移り免許を返納、それでも治療は何もなし。

会社ではルーペで何とか文字が見える。

電車に乗るときは妻が同行。

机上に明るい蛍光灯を置きルーペも手元を明るくするのを発見

Oさん

運転免許返納しました。

返納証明を提示するとバス賃半額になります。

Pさん

残っている正常な眼も発症しないかという不安。今の薬が効かなくなる不安があります。

サプリメントなどで少しでも眼に良い方法を取っています。

Qさん

近くを見るのに老眼鏡がいる事、(黄斑変性でなくてもそうですね)

遠くを見るのも(歩いている時)見にくくなっています。テレビを見るのも見にくくなってきました。

眼鏡をいつもそばに置いています。歩くときはうっとうしく思うので見えないまま歩いています。ボチボチ考えねばと思っています。

Rさん

人の顔が一メートル以上はなれればわかりにくい。文字が読めない。テレビもみにくい。階段、自転車には特に注意しています。

階段の最後がみえにくい。

Sさん

透明と距離感で困っている。例えば水位が分かりにくい。

Tさん

新聞が読めないこと

ネット版の記事を拡大し、さらに拡大読書器でそのプリントを読む。

Uさん

車の運転が出来なくなり、生活が一変してしまう。日常生活においても人の顔が分らないので外出が減る。家事全般が大雑把になる。新聞を読まなくなる。

今の自分には無理だとあきらめている。あまり気にしないようにしている。

Vさん

①  車の運転に自信がなくなったこと。高齢ですがまだ運転を続けたい。

②  贅沢ですが伸び伸びとゴルフを楽しめないこと

車の運転は無理をしない。夜は運転しない。

ゴルフでは同伴者を頼りにしている。

Yさん

悪い右目が不愉快。➡こんなもんとあきらめ。


(3)その他、ご自分の経験から他の方に伝えたいこと、役に立つと思うこと、逆に他の方から聞きたいことなど、何でもご自由にお書きください。

Aさん

4回の注射で安定しているが、将来の不安が全くなくなったわけではない。それならば、見える間に美しいものを見て目に焼き付けておこう。春には桜、秋には紅葉を見に出かける。

本を全く読まない生活は考えられない。しかしルーペは面倒である。そこで電子書籍を買い文字を拡大して読む。著作権の切れた作品は安くダウンロードできるし、軽いので旅行にも持っていける。

Cさん

近所の人が親切に教えてくださった事ですが、NHKのラジオで耳たぶ(イヤリング等する場所)を何度もつまむと目のツボらしいよと教えてもらったのでやってみると、目がしっかりしてきました。

皆様の役に立つと良いのですが、一度試してみてはいかがでしょうか。

Eさん

病気の進行が早く一年で両眼が悪くなったので精神的に参っています。どうすればマイナス思考から前向きに考えられるようになるのでしょう。

Fさん

目の具合が悪い時は庭仕事をする。散歩をすると具合が和らぎます。

「黄斑変性・浮腫で失明しないために」(平松類著、時事通信社)この本がとても参考になっています。

Gさん

1.TVを観る時間を少なくすること。明るい所ではサングラスをかける(自分自身ではあまり実行できていない)

2.どんなサプリメントが良いか、眼薬は何が良いか。他の方の取り組みを知りたい。

Hさん

気永い努力の病気と悲しい気持ちです。

Iさん

もっと早く真剣に病気と付き合うべきだったと大変残念に思います。でもiPSに希望を持っていたいと思います。

Jさん

これから自分の目がどう変化していくのか、視力低下した時など、とても不安になることがある。

Kさん

未だ一回しか参加できていませんが、色々な症状の方がおられ一概に言えませんが、前向きに生活してほしいと思う。見えないことはつらいことですし行動範囲も狭まると思いますが、自分のできる範囲でいいと思うので、他人や家族の手助けをしてもらいながら毎日を楽しく過ごしてほしい。(昨年拡大鏡等を使用しながら、ある国家資格をとりました)

Lさん

字が読みずらい。字が躍る。線がゆがむ(波打つ) 時には割合曲がらずに見える時もある。

Nさん

長年左目が良好でしたので運転してましたが、トンネルなどでは大型トラックが来るのを待ち後をつけていく。

両眼になってからは免許証を返納する。

Oさん

iPS細胞の臨床研究について、私の知りたかったことを教えていただきありがとうございます。

Rさん

失明だけはまぬがれたい。旅行等にいっても降りたバス等が分かりにくく困ることがあります。

食事もおはしが使いにくい。

Uさん

視力に問題がありアートメイクをしてしまい、その事が後の治療に関係があると思いもよりませんでした。レーザー治療が出来ないと知りビックリしました。

Yさん

加齢にならないと発症しないので、ミドル時代に信号を発すべきと判断。①ゴルフ②食生活③ルテイン